請求書支払い代行サービス9選を比較【2025年】

請求書の支払日が来ているのに口座にはお金がない。しかし、このままでは不渡りを起こしてしまう。不渡りの内容によっては、一気に会社倒産の危機に陥ってしまいます。
買掛先に正直に理由を話して支払いを待ってもらうという方法もありますが、相手の心証が著しく悪くなり、下手をすると取引を打ち切られてしまうかもしれません。債務整理などの法的解決などすれなさらに事態が悪化してしまいます。
何とか2か月、あるいは1か月支払いを待ってもらえれば問題なく買掛金を支払えるのに・・・、そうした場合に買掛先にバレずに支払いを遅らせる方法があります。
それが請求書支払い代行サービスです。代行サービス会社がカード払いのように、先にみなさま名義で振り込みを行い、みなさまはその「請求書代金+手数料」をクレジットカードを使って支払う方法です。実際の請求書の支払日をA日とすると、カード払い日はA+30~60日後なので、その間に買掛金を用意できれば良いという新しい支払いサービスです。
今回は、この「請求書支払いサービス」でおすすめできる9社をランキング形式で紹介します。またQ&A形式でよくある請求書支払いサービスへの疑問にも回答いたします。
請求書支払い代行サービスおすすめ9選を比較
請求書支払いサービスでおすすめの会社を9社紹介します。どの会社も安心・安全に利用でき手数料も低いため、まず使っていただき、その利便性を確認していただければと存じます。
請求書支払いサービスは、お金を借りるわけではないので、銀行融資などの信用情報とは無関係です。過去に多額の借入がある方、現在複数の金融機関と取引している方も問題なく利用できます。
カードに信用があれば大丈夫です。それでは請求書支払いサービスを紹介していきます。
マネーフォワード 請求書カード払い

手数料 | 2.4%(外部投資家からの調達実績がある、あるいは予定のある法人企業) 2.7%(それ以外の法人、個人事業主) (利用額10万円以下の場合は手数料一律3,000円) |
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最長支払い延長期間 | 60日 |
利用限度額 | 数万円~数百万円 |
取引先への入金スピード | 2営業日以内 |
審査 | やさしい(請求書が個人・非法人発行の場合、振込先代表の生年月日入力も必要です) |
取扱カードブランド | VISA、Mastercard、JCB |
利用対象 | 法人、個人事業主 |
運営会社 | マネーフォワードケッサイ株式会社 |
会計ソフト「マネーフォワード」の関連会社が提供する請求書カード払いサービスです。クレジットカードを利用して請求書の支払いを行い、実質的に最大60日まで支払期限を延長できる仕組みです。マネーフォワードを利用していない事業者も利用可能で、資金繰りの改善に役立ちます。
このサービスを活用すれば、外注費や仕入れ費用などの支払いを臨機応変に後ろ倒しでき、従来の融資やファクタリングと比べて簡単かつ迅速に利用できる点が強みです。
主要なクレジットカードブランド(VISA、Mastercard、JCB)に対応しており、必要なのは請求書のデータや写真のみです。手続きはすべてオンラインで完結し、最短3分で申込み可能です。
また、手数料は業界最低水準の2.4%~(税別)と低く設定されており、少額決済にも対応しています。さらに、外注費、材料費、設備費、雑費など、さまざまな用途の請求書支払いに利用可能。ファクタリングや融資と異なり、面倒な審査や高額な手数料が発生しないのも大きなメリットです。
公式サイトを見るINVOYカード払い

手数料 | 3%(利用額10万円以下の場合一律3,000円) |
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最長支払い延長期間 | 60日 |
利用限度額 | 上限、下限なし |
取引先への入金スピード | 3営業日以内(申込みの96%が1営業日以内) |
審査 | やさしい |
取扱カードブランド | VISA、Mastercard、JCB |
利用対象 | 法人、個人事業主 |
運営会社 | FINUX株式会社 |
INVOYの請求書カード払いは、事業者の資金繰りを改善する便利な決済サービスです。クレジットカードで請求書の支払いが可能になり、最大60日間の支払い猶予を確保できるため、資金の余裕を持ちながら事業を運営できます。
INVOY最大の特徴は、業界最安水準の手数料3%で利用できる点です。最低利用額の制限がなく、少額決済でも安心して利用できます。ただし、10万円以下の決済は一律3,000円の手数料となっているのでお気を付けください。この安い手数料によって、すでに10万以上の事業者が導入しています。
また、INVOY累計取扱高は100億円を突破し、多様な業種の事業者から支持を得ています。オンラインで請求書をアップロードし、カード決済を完了すると、INVOYが取引先へ最短3営業日以内に振込を行います。なお、96%の取引が翌営業日に入金されているため、急ぎの支払いにも対応可能です。
さらに、クレジットカード利用によりポイントやマイルも獲得できるため、経費の削減にも貢献します。
ラボル カード払い

手数料 | 3.0%~3.5% |
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最長支払い延長期間 | 60日 |
利用限度額 | 1万円~上限なし |
取引先への入金スピード | 最短即日60分 |
審査 | やさしい(本人確認書類が必要) |
取扱カードブランド | VISA、Mastercard、JCB |
利用対象 | 法人、個人事業主 |
運営会社 | 株主総会ラボル |
ラボルカード払いは、銀行振込が必要な請求書による買掛金の支払いをクレジットカードで決済し後ろ倒しできるサービスです。最大60日間の支払い猶予を確保でき、キャッシュフローの改善に役立ちます。対応ブランドはVISA、Mastercard、JCB(プリペイドカードを除く)で、事業資金や運転資金など、さまざまな支払いに利用可能です。
このサービスを利用すると、クレジットカードのポイントを貯められるため、実質的な経費の節約にもつながります。手数料は3~3.5%と低コストで、振込手数料などの追加費用は一切かかりません。また、最低1万円から利用可能で、必要な分だけを依頼できるため、無駄な出費を抑えられます。さらに、振込作業の手間を削減し、経理業務の負担、コストを約40%軽減できます。
クレジットカードの利用可能枠内であれば、どの支払いにも対応可能で、支払先(買掛先)にはサービスを利用していることが知られません。さらに、振込名義を指定できるため、取引先との信頼関係を維持しながら安心して活用できます。
支払い.com

手数料 | 一律4%(税込み4.4%) |
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最長支払い延長期間 | 60日 |
利用限度額 | 1万円~上限なし |
取引先への入金スピード | 最短翌日入金 |
審査 | やさしい(審査なし) |
取扱カードブランド | VISA、Mastercard、セゾン |
利用対象 | 法人、個人事業主 |
運営会社 | 株式会社クレディセゾン、株式会社UPSIDER |
支払い.comは、オンライン専門の請求書のカード決済サービスです。株式会社UPSIDERが東証プライム市場に上場するクレディセゾンと共同で運営しており、高い安全性と信頼性を誇ります。3Dセキュアにも対応し、不正利用を防止できるのでセキュリティ面も頼もしいです。
このサービスを活用することで、請求書の支払期限を最大60日まで延長できるため、急な資金繰りの課題にも柔軟に対応可能です。手続きはオンラインで完結し、最短翌営業日には振込が行われます(カードの種類や手続き時間によって異なります)。
特に中小企業や個人事業主にとって、資金不足時の支払い調整が可能となり、たとえば「月末の支払いが厳しい」「(従業員へ支払う)給与資金が足りない」といった状況でも、手形割引やファクタリングのように取引先へ知られることなく対応できます。さらに、振込名義の変更機能があるため、取引先との信頼関係を損なうリスクもありません。
手数料は一律4%と分かりやすく、審査や煩雑な書類提出も不要です。請求書をアップロードするだけで、速やかに指定口座へ入金されます。
また、セゾンカードやUPSIDERカードを利用すると、さらに迅速な支払いが可能になります。クレジットカード決済によるポイントやマイルの獲得もできるためお得です。法人限定のサービスですが、社会保険料のカード払いに対応しているのは業界内でも唯一のメリットです(他の会社は社会保険料の支払いについて請求書支払い代行サービスが利用できない)。
LP 請求書カード払い

手数料 | 2.95%(最低手数料額600円) |
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最長支払い延長期間 | 60日 |
利用限度額 | 制限なし(クレジットカードの利用可能金額内) |
取引先への入金スピード | 5営業日以内 |
審査 | やさしい(個人事業主の方は顔写真付き身分証明書の提出が必要です) |
取扱カードブランド | VISA、Mastercard、JCB |
利用対象 | 法人、個人事業主 |
運営会社 | 株式会社リンク・プロセシング |
「LP 請求書カード払い」は他のサービスと同様、最大60日間の支払い延長が可能となり、資金繰りに余裕ができます。突発的な支出にも柔軟に対応できるため、融資やファクタリングなどの資金調達を行わずにキャッシュフローを安定させられます。
本サービスは、初期費用や月額費用が一切不要で、その手数料も業界最安水準の手数料2.95%になります。手続きも簡単で、オンラインで申込めば即日利用開始でき、カード決済は最短1分で完了します。
VISA・Mastercard・JCBの3ブランドに対応しており、ポイントが貯まるほか、営業時間を気にせず支払い手続きができるメリットがあります。
利用にあたって審査や担保の必要はなく、お手持ちのクレジットカードを使用するだけで手軽に導入できます。法人および個人事業主の方が利用可能で、法人の場合は書類提出不要審査なし、個人事業主の場合は顔写真付き身分証明書のアップロードで簡易審査を行います。
振込名義の指定も自由に行え、振込日を指定しての決済も可能です。支払いは原則1回払いのみとなりますが、カード会社によっては分割払いやリボ払いへの変更が可能な場合もありますので、詳細は各カード会社にお問い合わせください。
DGFT請求書カード払い

手数料 | 一律3% |
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最長支払い延長期間 | 60日 |
利用限度額 | 制限なし(クレジットカードの利用可能金額内) |
取引先への入金スピード | 3営業日以内 |
審査 | やさしい |
取扱カードブランド | VISA、Mastercard、JCB、Diners、セゾン |
利用対象 | 法人、個人事業主 |
運営会社 | 株式会社デジタルガレージ |
DGFT請求書カード払いはとても利用しやすいものです。業界最安水準の手数料3%で利用でき、書類の提出は不要です。最短で当日から利用開始が可能です。クレジットカードの利用枠内で繰り返し決済できるため、支払い時にポイントやマイルを貯められる点も大きなメリットです。
利用手順として、請求書をスマホで撮影し、アップロードします。入力事項は自動入力機能により手間なく登録できます。最後にクレジットカード情報を入力し、申請を完了すれば手続きは完了です。
対応カードブランドはVISA、Mastercard、JCBのほか、DinersやSAISONにも対応し幅広いクレジットカードを利用できます。
さらに、請求書ごとに異なるクレジットカードを選択可能です。法人カードだけでなく、個人名義のカードでも利用可能なため、個人事業主の方も安心して利用できます。非常に利用できるクレジットカードの数が多い請求書支払い代行サービスになります。
弥生 請求書カード払い

手数料 | 3.5%(最低手数料額390円) (2025年3月31日までは2.7%) |
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最長支払い延長期間 | 60日 |
利用限度額 | 制限なし(クレジットカードの利用可能金額内) |
取引先への入金スピード | 3営業日以内 |
審査 | やさしい(個人事業主の方は顔写真付き身分証明書の提出が必要です) |
取扱カードブランド | VISA、Mastercard |
利用対象 | 法人、個人事業主 |
運営会社 | 弥生株式会社 |
マネーフォワードと同じように一般的に使われている大手会計ソフト「弥生会計」関連会社が運営する請求書支払い代行サービスです。
大きな流れは他の請求書支払い代行サービスと同じです。会計ソフトの「弥生会計」を使っているユーザーだけではなく、幅広くご利用いただけます。
サービスを開始して間もないということもあり、手数料のサービス期間となっていて、今回紹介した請求書支払い代行サービスの中でも最安値2.7%で利用できます(2025年3月31日まで)。
フラウド会計ソフトシェアNo.1の「弥生会計」が提供する請求書支払い代行サービスなので、顧客からの信頼度も厚く、そのサービス内容についても大いに期待できるものになっています。
請求書カード払い byGMO

手数料 | 業界最安値レベル(3%前後) |
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最長支払い延長期間 | 60日 |
利用限度額 | 制限なし(クレジットカードの利用可能金額内) |
取引先への入金スピード | 最短即日 |
審査 | やさしい |
取扱カードブランド | VISA、Mastercard、American Express |
利用対象 | 法人、個人事業主(インボイス取得した事業主のみ) |
運営会社 | GMOペイメントゲートウェイ株式会社 |
「請求書カード払い by GMO」は、クレジットカードによって請求書支払い期日を後ろ倒しにできるサービスです。カード払いに対応していない取引先への支払いも可能で、このサービスを通じてクレジットカードで決済すれば、指定期日までに確実に振込が完了します。
このサービスを利用できるのは、適格請求書発行事業者登録番号(インボイス登録番号)を持つ事業者が対象です。消費税の免税事業者は利用できないのでご注意ください。特別な機器や複雑な手続きは不要で、スムーズに導入できる点も大きなメリットとなっています。
「請求書カード払い by GMO」によって必要なときに支払いを後払いにでき、当面の運転資金に余裕を持たせることが可能になります。
JCB請求書カード払い

手数料 | 2.98% (1万円以下の場合は、利用手数料は一律330円) |
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最長支払い延長期間 | 40日 |
利用限度額 | 不明 |
取引先への入金スピード | 不明 |
審査 | やさしい |
取扱カードブランド | JCB |
利用対象 | 法人、個人事業主 |
運営会社 | 株式会社ジェーシービー |
JCBカードが提供する請求書カード払いは、その名の通りJCBカード会員向けの専用サービスです。他の請求書カード払いサービスと異なり、JCBのクレジットカードを所有している事業者のみが利用可能となっています。
このサービスの特徴は、業界最安水準の手数料2.98%で利用できる点です。すべてオンラインで完結するため、手間なく資金管理の効率化が図れます。たとえば、月末締めの請求書の場合、支払いを約40日延長でき、資金繰りに余裕を持たせつつ、事業運営のスムーズ化にも貢献します。JCB限定なので40日しか延長できないことに注意してください。
他社サービスとは支払いの延長期間が異なるため、利用の際は確認が必要です。
取引先への支払いはDigital Garageが代行するため、取引先がクレジットカード決済に対応していなくても問題なく利用可能です。また、3Dセキュアや2段階認証を備えた強固なセキュリティ対策が施されており、安全性の高さも魅力の一つです。クレジットカード会社が直接運営する請求書支払い代行サービスなので、安全性はお墨付きです。JCBカード利用者なら簡単な申込み手続きで、すぐに利用を開始できます。
請求書支払い代行とはクレカで買掛金を決済するサービス
請求書支払いサービスは「請求書支払い代行」とも呼ばれていて、請求書が来ていて、なおかつ手持ち資金、キャッシュがない場合に利用できる新しい仕組みです。
買掛金について、代行サービス会社に立替払いしてもらい、その後、クレジットカードの支払日に代行サービスへ当該請求書代金+手数料を支払います。
クレジットカードで「請求書の金額を代行して支払うサービス」を購入するイメージです。クレジットカードによるショッピングなので「請求書の金額を代行して支払うサービス」の支払いは、カードの支払日となり、30日~60日後に先送りできるというわけです。
- 書類提出不要!審査はクレカを持っていること自体で完了
- ファクタリングやビジネスローンと比較して手数料が安い
- 直近で資金の余裕がなくても支払いを最長60日後ろ倒せる
- サービス利用を取引先に知られることなく自社名義で振込
- クレカのポイントやマイルも請求書支払い代行で貯まる
それぞれについて解説いたします。
書類提出不要!審査はクレカを持っていること自体で完了
請求書支払い代行は原則的に書類審査を行いません。書類審査を行わないので、迅速な代行払いにつながります。
そもそもクレジットカードを持っていること自体が「信用」です。信用があるクレジットカード所有者が、カードで「請求書の金額を代行して支払うサービス」を購入しただけなので、特に審査をする工程がありません。通常のネットショッピングでいちいち全部審査などしません。
それと同じ論理で、クレジットカードを所有していることで一定の審査が終わっているとみなされます。安心して請求書支払い代行サービスを利用できます。
クレカを持っていれば個人事業主やフリーランスも利用可
多くの請求書支払い代行サービスでは、クレジットカードを持っていることそれ自体が信用の証になるので、法人だけではなく個人事業主やフリーランスの方も利用できます。
ただし、プライベートの支出と共用のクレジットカードを使っている個人事業主やフリーランスの方も多いはずです。可能ならば事業用にクレジットカードを作り、そこから請求書支払い代行サービスを利用した方が、後々税務調査が入った場合などに説明しやすくなります。
プライベートのショッピングではないことを疎明できるようにしておくことでリスクを下げられます。
ファクタリングやビジネスローンと比較して手数料が安い
銀行融資では間に合わない急な資金需要に対応できる方法として、ノンバンク系のビシネスローンやファクタリングが挙げられます。請求書支払い代行サービスを利用すると、これらの急な資金需要対応サービスよりも安い手数料で支払いができます。
各サービスの手数料を比較表にしました。
比較サービス | 請求書支払い代行サービスの手数料 | ビジネスローンの手数料 | ファクタリングの手数料 |
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手数料 | 3%~5% | 15%~20%弱 (利息制限法の上限付近 10万円未満 20% 10万円以上100万円未満 18% 100万円以上 15%) | 2社間ファクタリング 10%~20% 3社間ファクタリング 1桁%(10%未満) |
明らかに請求書支払い代行サービスを利用した方が、低い手数料で済みます。
ただし、請求書支払い代行サービスを利用できるのは「取引先からの請求書がある買掛金」のみです。ビジネスローンやファクタリングは自由に使えるお金、キャッシュを調達できますが、請求書支払い代行サービスの場合、現金が手に入ることはありません。
あくまで業者が一時的に買掛金を立替払いしてくれるだけなのでご注意ください。汎用的な運転資金が欲しい場合は、多少手数料がかかっても、ビジネスローンやファクタリングを使うか、時間かががっても融資の審査を申込むかどちらかにしてください。
直近で資金の余裕がなくても支払いを最長60日後ろ倒せる
請求書支払い代行サービスは、クレジットカードの支払いサイト分だけ支払いを後ろ倒しにできます。クレジットカードの支払いサイトで長いのは60日なので、最大60日の後ろ倒しになります。
例を挙げます。末日締め翌月末日払いのクレジットカードの場合、支払いサイトが最大60日になります。
4月2日に支払いが必要な買掛金があったため、4月1日に請求書支払い代行サービスを申込みます。末日締めなので4月末日集計分に請求書支払い代行サービス+手数料が計算され、4月30日に締めとなり、5月31日にクレジットカードの口座から引き落とされます。
結果、本来4月2日に買掛先に口座振り込みしなければならなかった費用について、60日後の5月31日に支払えばOKとなります。これで60日の後ろ倒しです。これが最大の支払いサイトになります。
通常はこれよりも短いはずで、30日~60日、1か月超の支払い猶予となります。この間にカードの支払い口座にお金を用意しておくことが必要です。
サービス利用を取引先に知られることなく自社名義で振込
請求書支払い代行サービスは、代行会社がみなさまの名前で銀行口座へ振り込みをします。口座振り込みの場合、振り込み名を自由に設定できるので、そのシステムを有効活用しています。
逆に考えると、直接口座振り込みできないケース、つまり、口座引き落としが設定されていて、引き落とし日に口座にお金がない場合には、請求書支払い代行サービスは使えないことになります。
公共料金で考えると、ある月の電気料金2万円が支払えない状態です。
請求書払い口座振り込み(非コンビニ払い、非郵便振り込み)のケースでは、請求書支払い代行サービスを利用できますが、それ以外の口座引き落としは利用できません。また、コンビニ払いや郵便局窓口での振り込み用紙を使った支払いも対応できません。業者がコンビニ窓口に振り込み用紙を持っていくことはできないからです。
製造業の事業主様の原材料仕入資金など、買掛先から請求書を受け取って、決まった日に支払う場合にバレずに支払い代行できる請求書支払い代行サービスが有効です。
クレカのポイントやマイルも請求書支払い代行で貯まる
請求書支払い代行サービスは「請求書の金額を代行して支払うサービス」という商品をクレジットカードで購入しただけです。何か特別な金融商品を購入したわけでも、融資を受けたわけでもなく、ただ商品をカードで購入したという建て付けになります。
そのため、購入額(買掛金+手数料)分のクレジットカードのポイントやマイルが貯まります。ポイント還元やカード利用料の1%引きなどの付帯サービスのついたクレジットカードを使えば、手数料を実質的にさらに下げられます。
ビジネスローンやファクタリングよりも安い手数料を、クレジットカードの付帯サービスでさらに下げられるのもお得です。
個人事業主やフリーランスでプライベートの支払いと共用にしているならば、仕事上の支払いを請求書支払い代行サービスで行い、貯まったポイントをプライベートに利用できます。
どの請求書支払い代行を選ぶとスムーズに資金繰り改善できる?
請求書支払い代行サービスを提供する会社はたくさんあります。その中でみなさまの希望に合った業者を選ぶためには何ができるのでしょうか?
支払い代行サービス業者の選び方のポイントについて解説しました。
- 手数料の安さはクレカの還元率も加味した実質手数料で比較
- 支払い延長期間が最長60日後ろ倒せるサービスを選ぼう
- 自分のクレカがサービスに対応していると即日利用可能
- 取引先への振込スピードが速いサービスを選ぶ
それぞれ順に解説します。
手数料の安さはクレカの還元率も加味した実質手数料で比較
手数料が安いことは確実に必要な条件ですが、上述のようにクレジットカードの利用でポイント還元や値引きがあります。
実際にどのくらい手数料を支払うのかは{手数料-還元率}になります。みなさまが使っているクレジットカードの還元率(ポイント還元や値引き)や請求書支払い代行サービス事業者のサービス内容も総合的に勘案して決めてください。
支払い延長期間が最長60日後ろ倒せるサービスを選ぼう
支払い延長期間は最長60日です。逆に60日以上延ばすと下請法違反になります。クレジットカード会社が下請業ではなく、請求書支払い代行サービスが下請業という建て付けになります。
これ以上延ばせない最大が60日となります。請求書支払い代行サービス会社によっては60日ではなく45日が最大というところもあります。
みなさまのリスクを可能な限り減らすには、支払い延長期間が最大60日、限度いっぱいの請求書支払い代行サービス業者を利用しましょう。それよりも早く支払うのは何ら問題ありません。
自分のクレカがサービスに対応していると即日利用可能
自分が所有している、あるいか会社で使っているクレジットカードのブランドが請求書支払い代行サービスに対応指定していればすぐに利用できます。クレジットカードでショッピングするのと同じなので、審査がないからです。
クレジットカードブランドには
- VISA
- Mastercard
- JCB
- American Express
- Diners Club
- 銀聯(ユニオンペイ)
などがありますが、多くの場合に利用できるのは「VISA」と「Mastercard」です。まず、このどちらかのクレジットカードを利用できる状態にしておいてください。
取引先への振込スピードが速いサービスを選ぶ
申込みから買掛先への入金が早い請求書支払い代行サービスを選ぶのも重要です。最短即日、可能ならば翌日だといざというときに速やかに申込みでき、選択肢になります。
数営業日を挟む場合、請求書の支払日に間に合わない可能性があります。
あとは、手数料との相談になります。入金スピードが早い請求書支払い代行サービスの方手数料が高い傾向にあります。数週間前から支払い資金がなくなることが予想できるのか、そうではなく本当に急な資金需要なのかで、選ぶ請求書支払い代行サービスが変わる可能性があります。
請求書支払い代行に関するよくある質問に回答
請求書支払い代行サービスについて、みなさんからお寄せられる質問の中でも特に多いものについて解説していきます。ぜひ参考にしてください。
利用するにあたりどんなデメリットがありますか?
請求書支払い代行サービスのデメリットについては以下のようなものがあります。
手数料が発生する
サービス利用ごとに一定の手数料(数%)がかかるため、直接支払うよりも最終的な支出が増えます。長期的に利用すると、1回では少額の手数料も積み重なって大きな負担になります。手数料は経費(「支払手数料」)に計上できますが、余計な支出には変わりありません。なるべく手数料を減らすことで、所得を増やさないと営業実績に影響します。
支払い完了が遅れる可能性も
請求書支払い代行サービス側としては「早期入金」をキャッチコピーにしていますが、本当の支払日に間に合わない可能性もあります。
「最短翌日支払い」の場合、2営業日、3営業日先になることも当然あり得ます。期限ギリギリに支払いを依頼する場合には注意してください。
利用できない請求書がある
すべての請求書の先払いに対応しているわけではなく、税金・社会保険料・公的年金の支払いなどは対象外のことが多いです。税金関係を他人が納めると問題になってしまうからです。事業に必要な経費、買掛金の支払いが対象になることをご理解ください。
トラブル時の対応が複雑になる
支払い遅延や金融機関のシステムエラーなどが発生した場合、自分で直接対応できず、代行業者を通す必要があります。金融機関のシステムがダウンした場合、本来なら復旧次第自分で入金できますが、請求書支払い代行サービスを利用していると、業者側が速やかに対応できない可能性もあります。
しかし買掛先はそのような事情は知らないわけで、システムトラブルなどを理由にできなくなります。
信用低下リスクがある
代行会社が倒産したり、経営状況が悪化した場合、支払いに影響が出る可能性があります。請求書支払い代行サービス会社の資金繰りが悪化して支払い遅延になっても、誰もカバーしません。全部「自己責任」で片づけられてしまいます。
怪しい会社の請求書支払い代行サービスを利用すると、みなさまのカード利用歴、クレジットヒストリーにマイナスとなる可能性があります。
悪徳業者のサービスを利用すると、変なサブスクに加入させられるなど、外国の怪しいサイトに勝手にクレジットカードを登録させられたのと同じ状況になってしまいます。
利用する際は、請求書支払い代行サービスの「信用」をしっかりチェックしてください。今回紹介している会社ならば大丈夫です。
利用限度額はありますか?また少額でも大丈夫ですか?
利用限度は基本的にクレジットカードの利用限度額になります。クレジットカードで「買い物」をする建て付けなので、それを超えての利用はクレジットカード会社が許可しません。
少額でも利用できる請求書支払い代行サービスが多いですが、少額の場合(おおむね10万円未満)の場合、手数料が固定額になるところが多いです。
1万円くらいの請求書支払い代行の場合、数千円の手数料になるので割に合わないかもしれません。
請求書支払い代行を利用すると借金の扱いになりますか?
借金にはなりません。あくまで「請求書の金額を代行して支払うサービス」をクレジットカードで購入しただけです。負債ではなく手数料も含めて経費として計上できます。
ただし、使用したクレジットカードを「リボ払い」にしている場合、その手数料が上乗せされてしまいます。借金にはなりませんが、過剰な利子を払い続けることになってしまうのでご注意ください。
クレジットカードの支払い日の引き落としできないと、借金以上に問題となります。クレジットカードの信用情報が大きくマイナスとなり、融資とは違う信用情報機関で「信用情報ブラック」の状態になるのでご注意ください。